【小さな会社の組織づくり】vol.1〜Vision、Mission、理念の必要性〜

4つの資源
会社経営をするには、4つの資源が必要です。
ヒト・モノ・カネ・情報です。
この4つの資源は経営者が1人の会社でも1万人の会社でも重要性に違いはありません。
4つの資源の中で、特に重要なのが「ヒト」です。
「ヒト」がモノ・カネ・情報の3資源を使うからです。
特に社員が増えれば、増えた人数分モノ・カネ・情報の使い方が多様になります。
会社に利益を生むには、情報を活用し、モノ・カネの使い方をより効率よく、会社の成長に導く使い方が求められます。
その為には、それぞれ個人の価値観や判断でモノ・カネ・情報を使うのではなく、会社の目指す姿に近づけるよう、全社員が同じ価値観や判断で行う必要があります。
会社の未来を示す3つの言葉
会社の未来を目指す姿や、判断基準は3つの言葉で表されます。
1.Vision:企業が長期的に目指すゴール(将来像)
2.Mission:その企業が果たすべき使命
3.経営理念:経営者が経営活動する上で大切にしている考え、価値観
この3つの言葉は、社員がある程度増えてから考える経営者が多いのですが、社員がいない時期から考えておくことが大事なのです。
組織作りの取り組み事例

その理由は、これから同じ組織で働くメンバー集めをする基準になるからです。
私は組織を作る時の例えとしてスポーツのチーム作りの話をします。
例えば、ある地域でサッカーが好きなAさんとBさんが、それぞれ新たなチームを作ろうと考えました。
Aさんは、とにかくサッカーが大好きで、毎週休日にサッカーが楽しめればそれでいいと考えました。
そこで自分の知り合いの中学生、主婦、55歳の仕事をリタイヤした男性、30代のフリーターなど、性別、年齢、スポーツスキルを問わず、沢山の人に声を掛け15名のメンバーを集めました。
しかし、メンバーが集まった初日の練習に来たメンバーは、わずか5人。
しかも、全員サッカーのルールも知らず、運動そのものが苦手な人ばかりでした。
Aさんは、サッカーを楽しむどころか、その5人にサッカーのルールや、体づくりの基本から指導することになりました。
Bさんは、アマチュアのスポーツ大会に出場できるようなチームを作りたいと考えていました。
そこで、集めるメンバーは幾つかの条件に当てはまる人を探しました。
Bさんのチームメンバーの条件
- 年齢は20代~40代後半まで
- サッカーのルールを知っている人
- 多少、サッカーの経験があるか、スポーツの経験がある人
- 意欲的に取り組める人
条件に合う人は中々、いませんでしたが3か月後には11名のメンバーをそろえることができました。
その後、常に11人で練習を行い3か月後地域の大会に出場することができました。
Aさんと、Bさんのチーム作りの大きな違いはVision、Mission、理念です。
Aさんは、Vision、Mission、理念という明確なものはありませんでした。あえて言うのであれば、理念は「サッカーを楽しむ」だったのでしょう。
しかし、このような理念ではAさんが求めるチーム作りは難しかったかもしれません。
Bさんは、
・Vision:アマチュアの大会に出場する
・理念:本気でサッカーに取り組む
と、明確でした。
この、Visionと理念に賛同した仲間を集め、取り組むことでBさんの求める姿が形になりました。
この例えが、皆さんの会社にも当てはまることなのです。
社員がいない小さな会社でも、経営者が未来の姿を描き、そのことを実現する使命と理念を作ることが、経営者の求める仲間集めに欠かせない基準になります。
まとめ
あなたはどのような仲間と一緒に仕事をして、どんな未来を実現したいですか。
組織を作るのであれば、まずはVision、Mission、理念の作成から取り組んでいきましょう。