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【小さな会社の人材育成】vol.3〜教育は「教え」と「育み」の使い分け

教育とは

教育とは「教える」という意味と、「育む」という意味があります。

この2つの異なる意味を理解しておくと、教育の取り組み方が見えてきます。

1.教える

教えるとは、相手が知らないことに対して、新たな知識を与えたり、物事の捉え方を解説することです。
例えば、新卒入社の人に真っ先に会社の存在意義やどのような思いで仕事に取り組むのかは教えますよね?
これは仕事に対する考え方、判断基準を知って欲しいという意図ではないでしょうか?
仕事に対する物事の考え方、判断の仕方となる会社の基本情報は「教え」、伝えていきます。

経営に必要な資源はヒト・モノ・カネ・情報です。
このモノ・カネ・情報を使うのはヒト(社員)で、使い方の判断基準が経営理念や社内ルールになります。
この判断基準の解釈の仕方を教えることなく、新人の判断基準に委ねてしまうから、経営者は「思った通りに動かない」と悩まれるのです。

会社の中で教えることに強化することは、経営理念の解釈や社内ルールについてです。
この2つは会社の考え方、仕事の取り組み方、姿勢を示すものです。
この部分を社員独自の解釈に任せ、仕事を我流で取り組ませていては、いつまでたってもあなたの望むような仕事の仕方はしません。

とはいえ、何を教えたらいいのか悩まれる方もいらっしゃいますよね。
教えるPointは「5W3H」です。

5W】
1.WHAT・・・・・・・・・何を (目的)
2.WHEN・・・・・・・・・いつ (日時)
3.WHERE・・・・・・・・どこで、どこへ (場所)
4.WHO・・・・・・・・・誰が、誰と (人物)
5.WHY・・・・・・・・・なぜ (理由)

【3H】
1.HOW・・・・・・・・どのように (方法)
2.HOW MUCH・・・・・いくら (費用)
3.HOW MANY・・・・・いくつ (数量)

この5W3Hをベースに、あなたの会社の判断基準で仕事できるよう「教え」ます。

教えるには、入社後3ヵ月間は、毎朝10分程度の時間を取り、考え方について誤った解釈にならないように、経営者や先輩社員が導いていきましょう。

2.育む

教えてもらったことを、教わった人(新人)が自分で取り組み実践し、自らの体の中に蓄えていくことを意味します。

教えたことはすぐには身につきません。
何度となく自分自身で行動し、取り組んでみなければ、習得できないことです。

新卒入社の方は、「社会経験がない」ということで、「教え」⇒「育み」が連動していることがあります。
教わったことを即実行することで育みがしやすくなります。

しかし、中途入社の人は「他社である程度知っているだろう」と思われ、ほとんど「教え」がありません。
即仕事を任され、仕事をしながら「育み」を体感します。

しかし、他社の経験は、あなたの会社で通用することは殆どありません。
中途入社の方が、手探りで時間をかけて行った仕事も、「やり直し」になるケースも多いです。

結局、作業時間を含め様々なロスとムダが生まれます。
最も効率の悪い教育の仕方です。

「育み」当事者が行わないと成長できない要素です。
しかし、その前提条件として、仕事の取り組み方や、判断基準などの共通認識があってのことです。
「育み」は仕事を通して社員を成長させることですが、あくまでも経営理念の実現や社内ルールを基に取り組むことです。

「教え」を省略しても「育み」を省略しても、社員は成長できません。
教育も仕組みで考え、いつどのタイミングで何を教えるのか、計画を立てておくことをお勧めします。

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